韓国政府が複数の投資銀行と電話会議を行った時の詳細です。

【一言】
韓国政府の思惑通り、うまくいったのでしょうか・・・少し疑問が残ります。

ソースは「日出づる処の名無し 2009/03/23(月) 22:25:22
ID:nGagTsoN」が翻訳した以下の記事
http://www.donga.com/fbin/output?f=vv_&n=200903230148 (韓国語)

【簡単なまとめ】

【概要】
・韓国政府は2009年3月20日に、世界的な投資会社10社*1と電話会議を行った。
・この電話会議は、最近噂されている、韓国経済の危機論を否定し、韓国への投資を呼びかけるためのもの。
・この噂は、イギリス系銀行HSBCの資料をもとに、イギリスの経済週刊誌エコノミストが「新興国の中で韓国が三番目に通貨危機に脆弱だ」と報道したことが元になっている*2
Q 中小企業融資がかなり多い。融資を増やせばモラルハザード問題が出るのでは?
A 政策的ジレンマがある。目的は融資の減少速度を減らすこと。

Q 家計負債があまりにも多いのではないか?
A 延滞率は1%にもならない。

Q 造船の受注取り消し事態の時には外国為替への悪影響はないか?
A 取り消しは5%もないだろう…業社への打撃は大きくない

Q 外貨借入に占めるヨーロッパ系比重は60%と聞くが…
A 35%だけ・・・「ヨーロッパ系」は用語の定義次第

Q 今年満期が到来する外債規模はいくらか?
A 満期が1年以内の流動外債が1940億ドルで、このうち国内銀行と外国系銀行の国内支店が持っているのは1200億ドル。最近では外債の満期延長割合が100%だ

Q 造船メーカーの受注が数多く取り消される事態が起きれば、外国為替市場はどんな影響を受けるか*3
A 受注物量が取り消されると推定される割合は5%未満。大型造船メーカーが、受注取り消しで、大打撃を受けることはないだろう

Q 金融委員会は最悪の状況を想定して銀行の健全性を評価する
‘ストレステスト’をした事があるか。あるなら結果を公開できるか
A 個別銀行に影響を与えかねない資料は公開できない。

Q 国内市銀の外貨借入規模のうち、ヨーロッパ系銀行から借りた資金比重はどれくらいか?
A 全体外貨借入額の35%がヨーロッパからだ。
Q 私はもっと高いと思うが*4
A ヨーロッパ系をどう定義するか、金融商品をどう分類するかによって数字は変わる。

Q 中小企業や自営業への融資が、家計負債統計に含まれているのか確認して欲しい
A 全く含まれていない。*5

ソースは「日出づる処の名無し 2009/03/23(月) 22:25:22
ID:nGagTsoN」が翻訳した以下の記事
http://www.donga.com/fbin/output?f=vv_&n=200903230148 (韓国語)

【余談】
ニュース極東に投稿される特定アジアの情報とその考察は、多分世界トップレベルだと思う。

*1:シティーグループ・クレディリヨネ証券(CLSA)、クレディスイス・ゴールドマンサクス、HSBCJPモルガンメリルリンチモルガンスタンレー、スタンダードチャータード、UBS他

*2:いや、もっと昔からありましたよw

*3:発注取り消しが数多く発生すると、韓国国内に米ドルが入ってこなくなる。これはウォン安へとつながる。これは造船メーカーにとって受注した時に使った米ドルを高い値段で買い戻すことになり、損をしただけになる。

*4:質問者は「ヨーロッパ系比重が60%位になると聞いている」と続けている。この60%はモルガンスタンレーが把握した数字らしい。

*5:韓国側の説明では、全体の家計負債延滞率は2月末で0.89%、家計負債の半分以上を占める住宅担保ローン延滞率は0.7%に過ぎない。家計負債の担保認定割合(LTV)も47%で低い方だが、これら数字は全て正確だ。中小企業融資の延滞率も高くない、との事